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【登山用燃料】アルコールストーブの良さと欠点 そして私の使い方

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登山用の燃料にはいくつかの種類がある。 ガス(OD缶/CB缶)・アルコール・固形・ガソリンなどだ。

私はこれらのうちガス(OD缶)、アルコール、固形燃料をソロ登山用に使っているが、それらの燃料にはそれぞれにメリットデメリット含め特徴があるので、その時々によって使い分けている。

今回はそのうちアルコールストーブの利点と欠点を整理し、ガスや固形燃料との私なりの使い分けについて書きたいと思う。

アルコールストーブの良さ・利点(メリット)

静かさ

アルコールストーブの最大の利点を言うならば、私は「静かさ」ということを挙げます。 アルコールストーブの燃焼音は、とにかく静かです。というか最初の着火時の「ボッ」という音以外はほとんど無音だといっていいでしょう。

一方で、ガスバーナーなどは高圧のガスを噴出させる音に燃焼音が加わり「ごぉおおお」とものすごい音がしますよね。 音は高出力なものほど迫力がでてきます。

静かな山ではこれは結構ひびきます。 ガスの燃焼音というのはなにか人為的な音といった感じで場違い感が私にはあります。山で電話の着信音をききたくないのと同様の感覚です。

アルコールストーブではそういったことがないというのが最大のメリットなのだと思います。(というか他のメリットが弱いということもある)

燃料が分割・継ぎ足しできる

アルコールストーブの燃料である「燃料用アルコール」は、液体でボトルに入っているだけですので、簡単に他の容器に移し替えたり、つぎ足したりすることが可能です。

常温ではガソリンのような危険性はありませんので、例えこぼしてしまったとしても大丈夫です。

これにより、ガス缶のように半端な残量が缶に残ってしまったり、そのために缶を二つ持って行かなければならず重量・荷物ともに無駄に増えてしまうという問題がありません。

このことは、案外見逃されているガス缶のデメリットであると同時にアルコール燃料の大きな利点であると思います。

特にできるだけ荷物の重量と体積を減らしたいソロ登山のテント泊のときなどは、必要最低限の燃料とボトルだけを持って行くことができるのは大きなメリットです。

燃料が意外と安くて入手性がいい

「燃料用アルコール」はドラッグストアでの購入が一般的です。

扱っていない薬局やドラッグストアもあるのですが、かなり高い確率で置いてあります。アウトドアショップやホームセンターでないと購入できないOD缶に比べると街中での入手性はアルコール燃料の方が高いといえるでしょう。

そして、中でも”ケンエー”こと健栄製薬のアルコール燃料は結構安いのです。 500mlで300円弱といった値段です。 燃費は風の強さや風防の有り無し、気温などで変わってくるのでここではガスとの燃費計算などはしませんが、250gで400円程度するOD缶に比べるとお得感があります。

Amazonケンエー燃料用アルコール 500ml

楽天ケンエー 燃料用アルコール 500ml

ネット通販だと送料の関係で少量だと高くはなるが、単価はドラッグストアより安い。

器具が軽い・故障しない

アルコールストーブは器具がシンプルで軽いというメリットがあります。 アルコールストーブは、見ればわかる通り、言ってみれば「穴の開いた単なる容器」なのです。アルコールを注ぎ込んで燃焼させるだけという構造なので、故障するということがありません。

また、エバニューのチタンアルコールストーブなどは重量30g台と非常に軽量です。

Amazonエバニュー(EVERNEW) チタンアルコールストーブ EBY254

楽天エバニュー(Evernew) チタン Tiアルコールストーブ (アルコール バーナー ストーブ) BY254

着火装置やガス調整つまみや折り畳みゴトクなどで構成させるガスバーナーは機械的な構造があるためどうしても故障のリスクがあります。 万が一山中で故障ということになるときついですよね。

その恐れがないというのは一定の安心感があります。

また、アルコール燃料はそれ単体で燃焼させることもできますから、アルコールストーブを紛失したとしても、空き缶のような容器に入れて燃焼させたり、枯れ枝にかけて着火剤にするなどの使い方もできるという汎用性の高さもあると思います。

氷点下でも火力が落ちない

アルコールは、ガスのように気温が下がっても火力が落ちる、弱くなる、着火できないということが起こりません。 ガスOD缶の場合は、寒冷地用の”パワーガス”といえども0度を下回る環境だと、どうしても火力が弱まってしまったり着火しないという現象が起きてきます。

春・秋の山でも、朝方の気温は氷点下になることも珍しくありませんが、アルコールストーブであれば、朝方でも変わらない火力で使うことができます。

アルコールストーブの弱点・欠点(デメリット)

風に弱い

次にアルコールストーブの欠点を列挙していきたいと思います。 アルコールストーブの最大の欠点は、何といっても風に弱いということです。

圧力をかけてガスを噴射するガスバーナーに対して、アルコールストーブは単にゆらゆらと燃焼するだけです。そのため、アルコールストーブは微風ですら炎が揺らされて火力低下につながってしまいます。

アルコールストーブが「火力がない」と表現している場合がありますが、私はそんなことはないと思います。無風化ではお湯を沸かすのに十分実用的な火力があります。ですが先ほど述べたようにガスと違ってとにかく風に弱いというのがアルコールストーブの弱点なのです。

そのため屋外などの風のある環境下では、風防(ウィンドスクリーン)が必須となります。

風防がないと強風下では着火しませんし、微風で着火したとしてもお湯を沸かすのにえらい時間がかかってしまいます。時間がかかるということは同時に消費する燃料も多くなってしまいますので、せっかくアルコールストーブ自体が軽量だとしても燃料をたくさん持たなければならず結局はガスより重いということになってしまいます。

そのため風防は必ず用意した方がいいのですが、それは同時にまた、荷物が増え、重量が増えるということでもあります。そうするとせっかくのアルコールストーブの軽量性が損なわれてしまいます。

なので私はアルミホイルで簡易風防としています。

火力調整ができない・消化できない

アルコールストーブは炎を簡単に消すことができませんし、火力調整もできません。

トランギアのようにふたのついているものであれば蓋を閉めることで消化ができますが、エバニューチタンアルコールストーブなどフタがないストーブの場合は、アルコールが燃え尽きるまで待つしかありません。(カップをかぶしたり水を入れるなど強引に消すことはできるが基本は燃え尽きるのを待つ)

そのため、燃料を無駄にしないためには、湯を沸かすのであれば沸かす水の量から必要なアルコール量の見当をつけて初めにアルコールを注ぐというある種の「熟練」が必要になります。

すぐに消せないという弱点は例えば急な雨が降ってきたときなどすぐにその場を離れなければならないときなどにも困ります。

火が見えない恐怖感

アルコールは日中だとほとんど火が見えません。よく目を凝らすとユラユラとした透明なカゲロウで火が起きてるということがやっとわかります。もしくは、手をかざしてみてちゃんと燃焼しているか確認する必要があります。

アルコールは燃焼音もありませんから、さらに火が見えないというのは、誤って触ってしまったり事故を起こしそうでちょっとした恐怖感があります。

テント内で使えない

アルコールストーブは燃焼中はどんどんアルコールが揮発して、次々に燃焼しています。ですが、揮発したアルコールには完全には燃焼しないものもあるのです。そのため、テント内でアルコールストーブを燃焼させると、燃焼しなかった気化したアルコールが目に入って痛くて目が開けられないほどになることがあります。

ガスバーナーの場合は、ほとんどすべてのガスが燃焼するようでこういった問題は起こりません。

テント内でストーブが使えないと雨で停滞している場合に困ります。 かといって雨の中外で使うわけにもいかないので、テントの入り口を大きく開けて何とか使えるといったところです。 この方法だと風が強い場合は雨が吹き込んできてしまうため厳しいです。

実は別売りの五徳(ゴトク)も必要

アルコールストーブは実は五徳(ゴトク)も別途準備する必要があります。 なので、実はアルコールストーブの本体重量がいくら軽くても五徳が重かったり、ウィンドスクリーンが重いと軽量性のメリットは消滅してしまうのです。

五徳(ゴトク)はアルコールストーブの専用品から汎用品までいろいろなものがありますが、1,000円以上するというのも地味に痛いです。

なぜ、どんなときにアルコールストーブを使うのか

ここまでアルコールストーブの良さと欠点を列挙してきました。

アルコールストーブは欠点に着目すると、とにかく面倒な代物であるということがご理解いただけると思います。

アルコールストーブは、ガスバーナーのように「つまみを回してボッ」というように便利に使えるものでは決してありませんし、風にも弱いので風防を用意するなどなかなか「手間のかかるやつ」です。

はっきり言って、単に「お湯を沸かす」といった目的だけで考えるのであれば、圧倒的にガスバーナーの方が何も考えずに楽に目的を達成できるのです。

ですが、場合によってはガスバーナーよりもアルコールストーブを積極的に使いたくなる場面があります。

例えば、よく知っている場所で時間的、精神的な余裕がある場合、かつ1人分の湯沸かし調理をするだけならば、いくらかの面倒があったとしてもさほど苦にはなりません。

これが複数人だと、たとえ友人だとしても気を使ってしまって「ゆっくりアルコールストーブで湯沸かし」というのができないかもしれません。

1人であれば多少面倒があったりしても、誰に気を使うこともありませんから私はむしろ面倒な思いをしてもアルコールストーブの「静かさ」や「軽量さ」というメリットを存分に享受したいと考えます。

それにやはり、静かな山でガスバーナーの「ごぉおおお」という音はちょっと場違いな感じがします。言ってみれば「無粋」だと思います。

ガスバーナーの燃焼音はやはり何か都会的というか人為的な音に感じます。

登山の目的は人それぞれではありますが、私は自然環境に身を置くという体験に価値があると思いますので、その環境をできるだけ崩さないような道具がいいなと思うのです。

ここまで言うと、アルコールストーブは結局のところよく言う「男のロマン」という結論になってしまいますが...。

ですが、やっぱりアルコールストーブの「ゆらゆらとした青い炎を静かな山の中で眺める」というのは登山の楽しみの一つなのです。